伊織 椒のブログ(仮)

日々の生活、喜びと悲しみ、特別な出会い、ちょっとした考えや思いつきを書き残すもの。

ニコニコ大百科の〈速水奏〉の項目の編集後記のようなもの

昨年の〈第5回シンデレラガール総選挙〉開催に際して、インターネットにおいて極めて強い影響力を有していると思われるPixiv百科事典の〈速水奏〉の項目の編集を開始しました。

一方、多様性の確保などの理由で敢えて編集を避けていたニコニコ大百科の〈速水奏〉の項目は約1年間に渡って放置されていたため、〈第6回シンデレラガールズ総選挙〉開催に際して、フリー百科系サイトの固有項目の編集によって速水奏の熱心なファンの存在を演出すべく、ニコニコ大百科の当該項目の編集も開始しました。

編集方針はPixiv百科事典と概ね同様なのですが、ニコニコ大百科のシステムなどに起因するいくつかの相違を設けたため、説明を行うことにしました。昨年公開した記事も合わせて確認していただければ幸いです。

形式

ニコニコ大百科における『シンデレラガールズ』シリーズのアイドルの固有項目の形式(いわゆるテンプレート)は、シリーズの主なコンテンツがMobage版に限られていた時期に形成、普及されたものだと認識しています。

しかし、アニメ版『シンデレラガールズ』の放送完了および『スターライトステージ』のサービス開始から1年半以上が経過した現在において、それらの作品によって提示された情報は着実に蓄積されています。故に、現在のフリー百科系サイトにおける『シンデレラガールズ』の各人物の固有項目においては、Mobage版の情報を主とする形式あるいは認識ではなく、諸作品による膨大かつ混沌とした情報群によって成されている総合的な人物像を提示できる形式が必要だと考えました。

また、フリー百科系サイトにおける『シンデレラガールズ』シリーズの各人物の固有項目に対して最も期待されている役割として、人物像の概要情報の掲載を想定しています。すなわち、諸作品におけるゲーム内性能一覧表などの要素は優先度を低くしています。

構成

速水奏の概要を知りたいユーザーのための最低限の紹介をページ上部から順に掲載し、詳細な情報はその後に配置しました。諸作品の情報の掲載順序は時系列順として、作品間の関係を平等にしています。

目次機能が無いニコニコ大百科において、長大なページは閲覧の快適性が著しく低いため、諸作品における各カードの紹介は省略しました。一方、目次機能を備えているPixiv百科事典には各カードの紹介を掲載しています。Google検索ではPixiv百科事典が最上位に表示されることもあり、ニコニコ大百科を簡易版のように扱うことには問題が無いと考えていますし、ページの最後にはPixiv百科事典へのリンクも設けてあります。

そもそも、『シンデレラガールズ』シリーズの展開が長期化したにも関わらず、主なコンテンツがMobage版程度だった時期に作られた形式の使用を続けられている現状は歪んでいると思います。現在、そして未来の『シンデレラガールズ』シリーズに相応しい新しい形式が必要でしょうし、今回のニコニコ大百科の編集にはその可能性を提示する意図もありました。Pixiv百科事典では目次機能に頼って旧来の形式を続けているのですが、ニコニコ大百科は全体的に簡潔な構成を意図して差別化しています。

ちなみに、イラスト、セリフ、コミュなどについては、ほとんどが有志によってアップロードされており、権利者も基本的には黙認を続けている状況ですから、私個人の立場としては、検索エンジンなどを用いた自主的な確認を推奨しています。

創作サイト系のフリー百科系サイトでは主観的記述がある程度許容される風潮がありますが、速水奏という秘密や演出によって自らの在り方をデザインしようとする人物の紹介においては特に、極力客観的な記述が重要だと考えています。フリー百科系サイトの記述などは参考にされずに、原典のみが参照されることが理想なのですが、183人のアイドルが存在するシリーズにおいては酷な要求であるとも思います。現実的な問題を意識しつつ理想を可能な限り追求する方法として、フリー百科系サイトの編集においては、影響力が強いサイトには不適切と思しき主観的あるいは自己顕示的な記述を極力排除して先入観の付与を避けつつ、概要紹介としての機能を充分に果たし得る程度の要約的記述を掲載するという妥協案を採用しています。

ページ内項目

各項目の内容を説明します。

冒頭

〈最初の発言〉の引用は旧来のテンプレートに合わせて残しましたが、概要にて再び全文を引用しているので削除してもよいと思います。

概要

簡潔な記述にするために800文字以内を目標としていたのですが、実際には900文字程度になりました。注釈が130文字強を占めているため、誤差の範囲かと思います。

当初はPixiv百科事典用の記述を流用する予定でしたが、1年の間に奏の人物像を明確にする決定的な情報がいくつか増えていたため、全体を加筆修正し、最終的にはニコニコ大百科用の新しい記述をPixiv百科事典に流用するという逆転的な結果となりました。

まず、奏の人物像を端的に示す”ミステリアスな雰囲気を纏う17歳の高校生。”という文章から始め、17歳の高校生としての奏と、アイドルとしての奏を紹介しました。これは、若い女性がアイドルになるという『シンデレラガールズ』シリーズの基本的構造を意識した展開です。アイドルとしての性質については『スターライトステージ』のイベントコミュ『あいくるしい』から引用しています。ちなみに、当該コミュによって奏のアイドルとしての性質が明確になったことを私はとても嬉しく思っています。『スターライトステージ』はアイドル同士のやり取りが豊富なので、アイドルとプロデューサーの閉塞的なやり取りからは判断が難しい要素が明確になりやすく、特に奏は『スターライトステージ』にて人物像がとても豊かになりました。『スターライトステージ』の恩恵を最も受けているアイドルの内のひとりでしょう。

次に、プロデューサーと奏の関係を紹介しました。『シンデレラガールズ』シリーズの、特にゲーム媒体における奏の人物像にはプロデューサーとの関係が不可欠だと判断したためです。

その後は、やはり奏に不可欠な要素と思しき、哲学や神話に関する発言を紹介しました。例示において”など”という表現を用いているのは、様々な解釈を許容するためです。情報が膨大かつ散乱しているシリーズなので、迂闊な限定の回避という意図もあるのですが。

映画鑑賞については、Mobage版におけるアイドル・シネマ・パラダイスとしての登場時の発言を引用しています。奏の映画選びについては長らく謎だったので、当該発言は貴重な情報でした。また、奏にとっての映画とは、プロデューサーとの関係の変化を象徴する要素として度々用いられているものでもあります。ただし、『シンデレラガールズ』シリーズの情報は断片的で、基本的には順序や連続性を保証されていないため、複数の情報を任意の順番で組み合わせることで成立するストーリーなどの創作的な主観的解釈をフリー百科系サイトにて提示することは避けたいと考えています。したがって、例えばMobage版初出カード、Mobage版[蒼翼の乙女]、[エンドレスナイト]の順番でストーリーが連続している、などといった意味を否定できるように記述しました。

主な参加ユニット

ニコニコ大百科の仕様の都合で長大なページにすることは避けたかったのですが、他のアイドルとの関係は奏の概要を知りたいユーザーにとって極めて有用な情報であると判断し、主な参加ユニットの紹介として掲載しました。Pixiv百科事典からの流用ではない、ニコニコ大百科のために用意した記述です。

紹介ユニットについては、諸作品における確認難易度および各種実績を考慮して厳選しました。登場順に掲載しています。

モノクロームリリィとデア・アウローラはMobage版におけるアイドルトーク機能の対象です。『スターライトステージ』の各種コミュでも、ユニットそのものとしてではありませんが、各々の関わりが複数回示されています。諸作品において関係を確認しやすいため、Mobage版由来の膨大なユニットを代表する2組として選びました。

Project:Kroneは美城による新体制のイメージ戦略の中核となる企画で、奏はそのリーダー格という大役を担っていますから、奏を紹介するにあたっては不可欠なユニットだと考えています。

LiPPSはユニットも楽曲『Tulip』も抜群の人気を集めており、奏の参加ユニットとしては最も代表的だと思います。また、後述するCAERULAも同様なのですが、ユニットとしての関係以外にも個人同士の関係や一部のメンバーによる別ユニットもあるため、それらを包括するものとしての選定でもあります。

CAERULAはCDシリーズ『jewelries!』に由来しており、当該CDの商業的成果や、楽曲総選挙や『ファミ通』によるアンケートなどの人気投票における『咲いてJewel』の支持状況からも、認知度は相応に高いと考えられます。また、当該CDに収録された約31分のオーディオドラマによって奏の活き活きとした様子を確認できることもあり、奏を紹介するにあたっては不可欠なユニットだと考えています。

ディスコグラフィ

フリー百科系サイトにおける『シンデレラガールズ』関係の項目ではまだ一般化していない印象ですが、情報サイトとしての有用性を考えれば、設けられるべき項目でしょう。

ちなみに、個人的な思い入れがある項目でもあります。『シンデレラガールズ』シリーズのアイドルは架空の存在ですが、〈偶像〉であることが要求されるならば実在しなければならない道理は無いと思います。しかし同時に、実在感を演出したり感じたりして楽しみたいという欲求があることも確かなのです。ディスコグラフィの項目によってアイドルの実在感を僅かにでも感じられるページになってほしいというささやかな願いも込めつつ設けています。

Mobage

先述した理由により、各カードの個別紹介は省略しています。カード一覧表に用いた色は公式コンサートライトの色に基いています。

Mobage版はシリーズの中でも特に煩雑な作品なので、各カードの獲得方法、思い出エピソードの解放方法、ぷちデレラの紹介を記載し、初心者に優しい内容を目指しました。ちなみに、ぷちエピソードは解放に時間がかかるものの、全話を無償で閲覧可能です。奏の為人の基本的な要素への言及が豊富なので閲覧を推奨します。

アニメ版『シンデレラガールズ

ニコニコ大百科の仕様を考慮して、Pixiv百科事典の記述よりも簡潔にしています。

スターライトステージ

Mobage版と同様の理由で、各カードの個別紹介は省略しています。

『スターライトステージ』におけるプレイアブル楽曲としての『Near to You』は属性によって様々な要素に差異があるため、それぞれを別の楽曲として扱っています。些細なことなのですが、こだわりの結果です。

関連動画

増え続けている原作の動画を多く載せたかったので、二次創作作品は1本に留めました。再生数という客観的な基準によって公正に選定しましたが、個人的にもとても気に入っている作品です。編集中は各動画の表示部が白くなってしまい、追記時の順序整理が面倒で、実際に前回の更新で順序が乱れてしまいました。次回更新時に余裕があれば整えておきます。

関連静画

閲覧数上位2作品を選定しました。二次創作イラストはPixiv百科事典で豊富に掲載しているので、増え続ける関連動画も考慮してこちらでは少なくしています。

関連コミュニティ

特記事項はありません。

関連商品

安定供給されている商品から選定しました。

関連項目

〈哲学〉の項目へのリンクを掲載予定でしたが、ニコニコ動画独自のミームを紹介する内容になっていたため、中止しました。

外部リンク

各カード紹介を読みたい閲覧者のためにPixiv百科事典へのリンクを設けてあります。

おわりに

フリー百科系サイトは極めて強い影響力を有しています。サイトの方針が主観的記述を許容しているとしても、公式な情報サイトが存在せず、ユーザーによる完全な情報サイトの制作も困難な『シンデレラガールズ』シリーズの関係項目については、影響力の実態を意識したサイトとして運用していくべきだと思います。誠実な紹介こそが可能性を最も拡張し、新しい視点や作品をもたらして未来を豊かにすると信じています。