伊織 椒のブログ(仮)

日々の生活、喜びと悲しみ、特別な出会い、ちょっとした考えや思いつきを書き残すもの。

サンライズフェスティバル2015『革命機ヴァルヴレイヴ』

サンライズフェスティバル2015 白南風』において8月27日に上映された『革命機ヴァルヴレイヴ』についての簡素な記録と感想です。筆記用具や記録機器は準備していなかったため、記憶に基づいた記事になります。誤った情報があれば、お知らせいただければ随時訂正します。 

 

 上映話数一覧

・第16話『マリエ解放』

・第17話『情報原子の深淵』

・第23話『モジュール77奪還作戦』

・第24話『未来への革命』

”パーフェクツォン・アミー視点でのセレクション!”とのこと)

 

上映仕様について

サンライズ作品のソフトや配信で使用されているサンライズのロゴ映像(ハロが跳ねるもの)と『サンライズフェスティバル2015 白南風』のロゴが順に上映された後に、第16話から話数順に上映されました。本編の仕様はソフト版と同一でしたが、各話終了時の次回予告は削除されていました。また、映画館にしてはやや小さい音量だと感じました。『ヴァルヴレイヴ』が映画館で上映される次の機会があれば、音量はもう少し大きいと嬉しいです。

 

各話感想

・第16話『マリエ解放』

シリーズの中でも特に好きな話数であり、上映話数に含まれていると知った時から楽しみにしていたので、個人的にはいきなり最高潮でした。福圓美里氏の繊細な演技や美しい演出を映画館の音響と大画面で楽しめて、とても満足でした。黒い背景を桜吹雪だけが舞う場面も、マリエの思い出をヴァルヴレイヴが壊していく場面も、大画面で観る「YOKAN」も、何もかもが味わい深くて最高でした。また、マリエがヴァルヴレイヴを見上げる場面や、ピノが画面に突然現れて「マリエ、サヨナラ」と告げるラストカットなどは、大画面ならではの恐怖感がありました。最初の上映話でしたが、Bパートが終わる頃には啜り泣く声が沢山聴こえて、上映開始から30分も経っていないにも関わらず、場内はまるで葬儀中の様な雰囲気でした。

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 ・第17話『情報原子の深淵』

シリーズの中でもサスペンス性が特に強い話数だと思いますが、映画館という独特の環境で観ると格別の緊張感がありました。例えば、ハーノインがカインに見つかる場面は画面の色味が暗めですが、大画面で観ると演出の効果を普段以上に感じました。また、第17話の視覚的な見せ場としては、1号機が火山を噴火させる場面がありますが、とても美しく、迫力がありました。昨年の上映で第19話を観た時にも思いましたが、映画館という暗所で夜の場面を観ると臨場感が違います。

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・第23話『モジュール77奪還作戦』

第17話から第23話まで話数が飛んだことで、犬塚先輩がいつの間にかお亡くなりになっていました。一方、パーフェクツォン・アミーに注目すると、通常の話数順では決着までに時間がかかるハーノインのピアスの件が、一瞬で解決したかの様な構成になっています。”パーフェクツォン・アミー視点でのセレクション!”らしい構成だと言えるでしょう。また、物語の舞台もいつの間にか宇宙へ移っているのですが、地球の夜の闇とは違った美しさがある宇宙の闇に惹かれました。『ヴァルヴレイヴ』の宇宙の色味は綺麗ですね。そして、第23話の終盤は場内の緊張感が最も高まっていた気がします。何度も観ているはずの私も緊張して魅入ってしまって、やはり『ヴァルヴレイヴ』は苛酷でありながらも美しい作品だと再認識させられました。

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・第24話『未来への革命』

第24話だけは昨年も上映されましたが、やはり何度観ても面白いです。ダーインスレイヴの豊富な機構や、対応する1号機の多彩な技の情報量が凄まじいメカニック戦闘はもちろん魅力なのですが、ソフト版でかなり増えた撮影処理も観応えの一因かもしれません。放送版と比べると雰囲気が大きく変わっていると思いますので、ソフト版を未見の方は是非ご覧ください。そして、素晴らしいラストシーンも映画館の恩恵を受けていました。暖かい光に満ちたメモリアル・コアの場面と「ニンゲンシンジマスカ?」に続いてスクリーンの幕が閉じ、場内の照明が灯っていき、そして周りの様子が視える様になる。映画館ならではの一連の流れに、新宿まで来て良かったと心底思いました。1人で作品を観ていては感じられないものを感じた様な気がします。

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池谷プロデューサーの挨拶

上映が終了して場内の照明が点くと、間もなく池谷浩臣プロデューサー(以下、池谷Pと記述)の挨拶が始まりました。以下、挨拶の内容を覚えている範囲で箇条書きします。

・今年の入場可能人数の多さを最初に聞いた時は「やめとけよ…」と思ったが、こんなに沢山の方に来ていただけた。(注釈:今年使用されたスクリーン6の座席数は232席で、新宿ピカデリーの10箇所あるスクリーンの中では4番目に多い座席数です。通常の映画上映でも敬遠されがちな前方3列などこそ空席が目立ちましたが、4列目以降の座席は多くが埋まっていました。昨年のトークショーの様な大規模な企画が無かったことや、上映日が平日だったことを考慮すれば、十分な動員数だったと思います。)

・『ヴァルヴレイヴ』の制作は非常に大変だった。スタッフにも大変な苦労を強いてしまった。忘れてしまおうかと思っていたほどに大変だったのだが、『ヴァルヴレイヴ』があったからこそ、今の自分がある。とても貴重な経験であり、忘れたくても忘れることができない作品。去年、今年と連続で夏に上映したから、毎年の夏に『ヴァルヴレイヴ』を思い出している。今後も『ヴァルヴレイヴ』の夏が続けばよいと思う。(注釈:『ヴァルヴレイヴ』では、日本のテレビアニメでは稀有なプレスコ方式や、手描きメカニックの雰囲気を3DCGで表現するための特殊な技法が用いられており、制作時の苦労は想像に難くありません。詳細を知りたい方は『デザイナーズノート』や『CGworld』の『ヴァルヴレイヴ』特集号などを参照するとよいでしょう)

自画自賛になってしまうが、改めて観るとやはり『ヴァルヴレイヴ』は面白い。登場人物は皆活き活きしているし、硬質残光は美しいし。

・今回の入場者特典は、本編の後の(注釈:第3銀河帝国暦200年代という意味ではないと思います。念のため)エルエルフとアードライをイメージして作った。文章などでも良いから、後日譚を作って公開したいと思っている。

・今回は挨拶の都合で上映話を最後まで観れなかったが、第23話でパーフェクツォン・アミーの3人が揃い立つ場面はやはりよい。エルエルフにはやはり白い服が似合うし、エルエルフとアードライが並んでいると絵になる。髪の色も似ているし、名コンビ。

・ハルトとエルエルフは2人で1人の主人公。ハルトは穏やかで、こう言うと語弊があるかもしれないけど、主人公らしくない主人公だと思う。そんなハルトとエルエルフは最後の僅かな時間だけ、ようやく1つになれた。

 

革命機ヴァルヴレイヴ デザイナーズノート

革命機ヴァルヴレイヴ デザイナーズノート

 

 

池谷Pへの質問コーナー

挨拶に続き、池谷Pが来場者2名の質問に答えてくださる質問コーナーが行われました。

Q.第3銀河帝国の皇子は何者なのですか。

A.『ヴァルヴレイヴ』には言えないことが多く、皇子についても詳しいことは言えない。ただし、登場人物の系譜にある人物ではある。

Q.『アンダーテイカー』の単行本化や『Good luck for you』のサキ版音源の商品化、そして先ほど述べられた様な新展開の実現など、今後の新企画を実現するためには、我々ファンは何をすれば良いでしょうか。身も蓋も無いことを言えば、ソフトを沢山買うべきなのでしょうが、今日の来場者のほとんどは既にソフトを持っているでしょうし、自分も持っていますから、できれば別の方法があると嬉しいです。

A.Twitterなどに沢山書き込んでほしい。自分も関係者に企画の提案などをしてみるつもり。

 

質問コーナーの後に番宣ポスターの抽選会が行われ、最後に9月3日に開催予定のバンダイチャンネルの配信イベントの告知がされ、全内容が終了しました。

 

最後に

2年連続で映画館にて『ヴァルヴレイヴ』を鑑賞しましたが、実は家庭のテレビよりも映画館の方が『ヴァルヴレイヴ』を観るには相応しいのではないか、という思いが強まりつつあります。光と闇の美しさが、プレスコ収録による活き活きとした息遣いが、集中すればするほど楽しませてくれる豊富な情報量が、映画館という環境にとても合っているのではないかと思うのです。来年の夏も『ヴァルヴレイヴ』の夏であることを祈っています。

 

また、質問コーナーにおける回答によれば、インターネットに投稿される意見には企画を動かす力がある様です。今後も微力ながら様々な記事や意見を投稿し、新企画を実現できればと思いました。まずは『Good luck for you』のサキ版の音源が欲しいです。配信でなくCDだと、より嬉しいです。

one day

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当記事における、引用元を個別に記述していない引用情報の出典:『革命機ヴァルヴレイヴ』© SUNRISE/VVV Committee, MBS