伊織 椒のブログ(仮)

日々の生活、喜びと悲しみ、特別な出会い、ちょっとした考えや思いつきを書き残すもの。

2017年7月1日に速水奏を顧みる

速水奏の誕生日を記念して、2017年1月から6月までの奏の活躍を顧みます。奏の誕生日と年末の間隔はほぼ均等で美しいため、今後も同じ時期に半年分の活躍を顧みたいと考えています。

[エンド・オブ・ザ・ブルー](『スターライトステージ』)

〈シンデレラフェス〉限定エピソードについては、人気が高いアイドルが厳選されている印象があります。従来の3人同時追加ではない初の単独追加事例において、特に人気が高いクールタイプの中から奏が抜擢されたことは、極めて光栄でした。加えて、当該エピソードはゲーム内性能が優秀で、特定の編成によってほぼ無操作でのLIVEクリアが可能になるため、ゲーム内での起用を機に奏の魅力を知るユーザーが増えることにも大いに期待できます。

当該エピソードの特訓後の衣装や情景などには、Mobage版にて初登場した[追憶のヴァニタス]が踏襲されていますが、対照的な要素を複数備えていることも特徴です。まず、造られた夜の中で水生生物を眺める特訓前の状況は、海辺で朝日を待つ[追憶のヴァニタス]とは対照的です。また、特訓後についても、衣装や情景に〈破損〉の要素が採用されている[追憶のヴァニタス]とは異なります。衣装に傷は無く、水没している遺跡にも深いひび割れなどの大きな損傷はありません。そして、特訓後の発言にも明確な差異があります。ほとんどの発言から終わりへの意思を見出だせる刹那的な[追憶のヴァニタス]に対し、[エンド・オブ・ザ・ブルー]では未来や発展を直接的に示す発言を次々と行います。以上の性質から、[追憶のヴァニタス]の発展系という形容だけでは語り尽くせない玄妙なエピソードだと思います。

特訓前に奏達が訪れている水族館は、品川プリンスホテルに併設されているアクアパーク品川を基にしているようです。品川プリンスホテルには映画館も併設されているため、奏とは相性が非常によい施設だと思います。当該エピソード登場後に現地の実際の様子を確認しましたが、いくつかの差異はあれど概ね同様の内観でした。日曜日の夕方頃に訪れた際には多くの親子でとても賑わっていました。当該エピソードのような静かなデートを望む場合は、平日の夜などの利用が望ましいでしょう。ちなみに、併設の映画館は『シンデレラガールズ』関係のライブビューイングの上映館でもあります。付近に訪れる機会が多い場合は、入館料の1.9回分程度の価格で購入できる年間パスポートが便利です。

衣装には[蒼翼の乙女]や[夜色の花嫁]を想起させられる羽飾りや薔薇の意匠が採用され、奏の幻想系の装いの集大成のような造形になっています。ただし、私は[追憶のヴァニタス]のドレスの素朴な造形を美点と考えているため、[エンド・オブ・ザ・ブルー]の衣装は比較的冗長に感じます。3DCGモデルの頭身の低さや挙動に関わる制約などの要素も総合して判断すると、[エンドレスナイト]のモデルの方が格段に好きです。

飯田友子氏の演技の洗練には停滞の兆候すら感じないほどで、特に特訓前のホームセリフ「あ、髪…。かき分けられると…。ん、耳の後ろにゾクッときた…」の妖艶さには大いに驚きました。LIVEクリア時の固有セリフ「元の世界になんて、帰してあげない。嬉しいでしょう?」は最も好きなLIVEクリア時セリフなので、LIVEプレイにおいて特別な理由が無い限りは当該エピソードをセンターに常駐させています。

3DCGモデル変更(『スターライトステージ』)

奏のモデルは、リリース時から約1年半に渡ってほぼ変更されていなかったため、大規模なモデル変更としては後発の部類でした。リリース時に登場していたボイス獲得済みアイドルのほとんどに何らかの大規模かつ秀逸なモデル変更が施されていた時期だったため、結果には大いに期待していたのですが、残念ながらあまり満足できませんでした。

最も重要な変更は、閉じている目の描写および、額付近の不自然に隆起した構造の変更でしょう。初期モデルにおける、表情や角度によって表現が破綻するという致命的な問題が解決されました。故に現行モデルは初期モデルよりも優れていると私は断言します。他には、リリース初期特有の髪の過剰な光沢表現や肌の質感などが改められ、後発のモデルと統一されました。

しかし、現行モデルも総合的な質には大いに問題があると考えています。イラストなどと比べると顔立ちが幼い印象を受けるため、実年齢よりも大人びているという奏の特徴あるいは魅力を充分には感じられません。加えて、いわゆるインテークの頂点が鋭利過ぎるため、髪の質感表現やシルエットが不自然です。リリースから約1年半の間、モデルへの不満に耐えてプレイを続けていたのに、待望のモデル変更の結果も期待通りではなかったことは、未だにとても残念です。奏の頭部および顔の造形はイラスト毎に差異があるため、最大公約数的な造形は難しいのでしょうし、そもそも『スターライトステージ』の頭身が低めのモデルは奏のような大人びた性質のアイドルとは相性が悪いとも思うのですが、理想的なモデルの実現は容易に諦められることではありません。

アイドルマスター シンデレラガールズ劇場』(アニメ)

『海を見て想う』

映像化に際して追加されたカットは好ましかったのですが、低頭身時の描写には強い違和感がありました。原作通りに、終始通常頭身のままで描写していただきたかったです。

『ロボ回』

アニメ版オリジナルの挿話。奏は敵組織の幹部などの役がよく似合います。『渇きの里と渇きの少女たち』のようなコラボレーション企画でよいので、奏が主人公と敵対する本格的な物語を観たいです。

第6回シンデレラガール総選挙(Mobage

奏は、総合第20位、クールタイプ第8位に入賞しました。ともに過去最高位です。私は前回と同様に、獲得した全ての投票券を奏へ投じていました。

今回の総選挙においては、多数のユーザーによる奏への熱烈な投票には期待していませんでした。奏の人物像は明快ではありませんし、既にボイスも決定しているからです。私にとっての現実的かつ価値がある目標は、ボイス決定後に下落した奏の順位を、全盛期と同程度の第25位前後まで戻すことだけでした。そして、第25位になることすら容易ではないと考えていたからこそ、総合第20位という結果に対する感情は、喜びよりも驚きが勝りました。

満足できる結果に至った現在だからこそ言えることですが、そもそも私は、近年の総選挙には強い魅力を感じていません。アニメ版および『スターライトステージ』以降の『シンデレラガールズ』シリーズ全体の発展の規模に対して、近年の総選挙における上位アイドルへの特典は、範囲や内容が矮小だと思うからです。例えば各タイプの上位特典の対象は、3人ではなく5人に拡張していただきたいです。ただし、5人全員に歌唱権を与えるとボイス獲得アイドルが増えて運営が困難になる可能性があるため、第4位以下は歌唱権以外の特典でも結構です。

加えて、今回は投票報告ツイート機能によって毎日の動向が高精度で可視化されてしまっていたことも退屈でした。投票報告機能の働きが運営陣の意図通りだったのかはわかりませんが、総選挙に次回があるならば、廃止または仕様変更を望みます。

当初は、総選挙に関わる応援を年単位で継続する予定でした。先述した通り、奏が第25位以内に入賞することは容易ではないと考えていたからです。しかし、投票報告の集計情報と中間発表によって第20位前後への入賞を確信できた際に、総選挙に関わる意欲が著しく減衰しました。

中間発表以後も投票は続けましたが、投票期間後半に開催されたイベントが楽しくなかったこともあり、退屈な作業でした。総選挙開始直後に開催された『LIVEツアーカーニバル ディアリースターカーニバル ~夜桜奇譚~』が特に面白かったので、以降のイベントで落差も感じ続けていたことも要因でしょう。私が『シンデレラガールズ』シリーズのゲーム作品をプレイする動機は、アイドルの新しい発言や関係の観測であり、ゲーム内におけるプレイヤー間の競争には興味がほとんど無いことを改めて確認しました。

次回以降の総選挙においては、私が前回および今回のように積極的に投票することはもう無いかもしれません。現在の総選挙の仕組みと傾向が続くならば、奏が名誉などではない具体的な成果を得ることは、少なくとも次々回頃までは困難だと考えていますし、得られる成果にも強い魅力を感じないからです。そもそも、今後の順位がいかに変動しても、奏が私にとっての最高の〈シンデレラガール〉であることはきっと変わりません。そして、第5回総選挙から続く悲願だった奏の名誉回復が叶いましたから、もう満足しました。

楽曲総選挙(『スターライトステージ』)

奏の参加楽曲は、『Hotel Moonside』(ソロ楽曲部門第4位)、『Tulip』(ユニット楽曲部門第1位)、『咲いてJewel』(ユニット楽曲部門第4位)が入賞しました。私は、全ての投票において『Hotel Moonside』と『あいくるしい』を選択していました。

とても喜ばしい結果でした。奏は楽曲に恵まれているという私の意見が補強されたことも嬉しかったです。

楽曲総選挙に次回があるならば、今回と同様の部門とは別に、本来の歌唱者による新録の希望を集計する部門を新設していただきたいです。各楽曲の収録当時から現在までの間にアイドルの人物像や演者の技量が変化している場合もありますし、何より、あらゆるものが更新され続けることは『シンデレラガールズ』の特徴であり魅力でもあると思います。だから既存楽曲の在り方も、いつかは更新されてほしいのです。既存の楽曲を不特定の別のアイドルが歌うことがあってもよいのですが、私は、本来の歌唱者による新録版音源を聴きたいです。

セブン‐イレブン×アイドルマスター シンデレラガールズ コラボキャンペーン

各属性から、ボイス獲得済みのアイドル1人ずつと、ボイス未獲得アイドルが1ずつ、合計6人が登場しました。僅かな参加アイドルに奏が選ばれたことはとても光栄でした。

各アイドルの衣装は全て新規デザインのものが用意されており、セブン‐イレブンのトレードカラーであるレッド、グリーン、オレンジが、それぞれキュート、クール、パッションの各属性に割り振られました。奏は、私服(らしき衣服)ではグリーン系の色が配されたものを選ぶ場合がしばしばあります。日常的生活との関わりが強いコンビニの仕事においてグリーンを配した衣装が与えられたことには、不思議な縁を感じました。

イベント『Nocturne』(『スターライトステージ』)

2016年10月31日開催の『あいくるしい』から約半年ぶりに奏が参加した『スターライトステージ』のイベントでした。

奏の勝負への意思は、特に重要な魅力の内のひとつだと考えています。Mobage版における初登場時から「勝負事って結構強いのよね」や「この勝負…唇でも賭ける?」といった発言で、勝負に関する意思が示されていましたが、特定のアイドルに対する挑戦心や、先達のアイドルに対する意思が明示される機会はほとんどありませんでした。故に、特定の先達のアイドルへの挑戦心が初めて本格的に明示された当該コミュは、大いに喜ばしいものでした。ボイス獲得以降続いていた、奏の人物像を構成する既存の要素の具体化は、当該コミュによって一旦完了したと考えています。

シンデレラガールズ』シリーズの表現は基本的に平和です。プレイヤー間あるいはプレイヤーとNPCの対決を除けば、作中のアイドル同士の競争によって決定された勝敗や優劣が具体的に示されることは稀です。しかし、各々に特徴や個性があるということは、それぞれに差があるということですし、差に起因する挑戦心が発展をもたらす場合もあります。『シンデレラガールズ』シリーズに苛烈な競争や残酷な勝敗の提示を積極的に要求する意図はありません。しかし、各々の特徴や個性を肯定する物語を成立させるために、序列や競争が肯定的示される機会は欲しています。故に、序列や競争を各々の魅力の根源のひとつとして肯定する当該コミュは非常に好ましいものでした。総選挙期間中に公開されたため、競争による各々の発展の価値を強く意識させられる機会にもなりました。

シンデレラガールズ』シリーズにおける大人の代表格である川島瑞樹。抜群に神秘的な雰囲気が特徴の高垣楓。生真面目なリーダー気質の新田美波。挑戦的な松永涼。それぞれが奏との対比対象として面白く、様々な新展開に期待したい関係が豊富なコミュでした。涼は奏と関わった機会が未だに少ないですが、人格や趣味に共通する要素があり、容姿や声質の相性も悪くないと思うので、様々なユニット活動を観たいです。アイドル・シネマ・パラダイスなどを通じて、奏の映画の嗜好の詳細が示されることにも期待しています。

ちなみに、私は『スターライトステージ』における奏の登場イベントの全てで2000位以内に入賞していたのですが、当該イベントにおいては、諸事情により惜敗しました。イベントの順位や報酬エピソードのスターランクには効力がほぼ備わっていませんから、名誉あるいは誇りをもたらすものでしかありません。しかし、誇りは強烈な動機になり得ます。総選挙における目標達成などの要因によって減衰し始めていた『シンデレラガールズ』シリーズへの執念が、当該イベントにおける敗北を機に、決定的に損なわれました。競争による発展は、一般論としては肯定しますが、『シンデレラガールズ』シリーズにおけるプレイヤーとしての競争には、注力に相応しい価値を見い出せなくなりました。

奏への好意や興味は失われていませんし、奏に関わる新展開は可能な限り確認する予定ですが、当該イベント以前のような積極性は、今の私にはありません。

『あいくるしい』

『スターライトステージ』での公開から7ヶ月後に発売された、待望のフルサイズ音源です。奏としての飯田友子氏の歌唱力、あるいは総合的な表現力が著しく向上し続けていることを、改めて確認できました。無意識的な贔屓に基づく感想かもしれませんが、『シンデレラガールズ』シリーズにおいて音楽を最も得意とする演者の内の1人であろう牧野由依氏とも渡り合えている、とても見事な歌だと感じます。ソロ版音源の発売に大いに期待していますが、現在の発売間隔のままでは年単位の時間を待たなければなりませんから、とても残念です。

ちなみに、イベントコミュ『あいくるしい』にて明示されたアイドルとしての奏の在り方は、第6回総選挙に際する各種フリー百科系サイトの再編集において、奏の概要の明確化に非常に役立ちました。Mobage版におけるアイドルとプロデューサーの1対1のやり取りによってもたらされる情報は、第三者による客観的意見を欠く自己申告的なものになりがちなので、『スターライトステージ』のコミュは各アイドルの人物像が明確化される貴重な情報源です。

[シンデレラドリーム]速水奏Mobage

シンデレラドリームチケットが不足しているため、未だに獲得できていません。フリートレード解禁後に相応の意欲があれば獲得を試みる予定です。後発の[シンデレラドリーム]シリーズは、ゲーム内性能に対するチケットの要求量が過剰だと思います。

衣装の配色や素材は[シンデレラドリーム]シリーズの仕様に準拠していますが、造形は、奏の従来のステージ系衣装の集大成的なものです。[エンドレスナイト]やセブン‐イレブンコラボキャンペーンなどの、他の集大成系の衣装との差異を確かめるのも一興です。

おわりに

奏にとっての2017年上半期は、ボイス獲得以降の著しい活躍、支持、人気の結実のような出来事が続いた時期だと思います。私にとっては『シンデレラガールズ』シリーズへの執念が失われた時期でしたが、今後の奏の活躍には大いに期待しています。

特に望んでいることは、デア・アウローラの楽曲の制作です。過去のアンケートにて高い人気を集めていたモノクロームリリィの方が現実的でしょうし、モノクロームリリィも好きなユニットなのですが、楽曲や『スターライトステージ』のMVは、デア・アウローラの方が面白くなりそうだと思います。

 

 

当記事における引用情報の出典:『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』 © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.